生涯年収の平均はいくら?学歴・企業規模・男女別の目安と手取りの考え方
生涯年収の平均は公的統計に直接の数値がないため、国税庁の平均給与やJILPTの生涯賃金をもとに目安を整理します。学歴・男女別、企業規模別の平均額、中央値の参考試算、額面と手取りの違い、生涯年収をふやす考え方までをわかりやすく解説します。
年収とは?平均はいくら?令和7年分の統計から男女・雇用形態別に試算">生涯年収の平均はどのくらい?まずは最新の平均給与を確認
生涯手取りの違い・計算方法・平均年収をわかりやすく解説">年収とは、ひとりの労働者が就職してから定年退職するまでに受け取る賃金の総額を指します。ただし「生涯年収の平均」を直接示した代表的な公的統計はなく、実際には「平均給与×勤続年数」や「学歴・企業規模別の生涯賃金」などの統計を組み合わせて推計するのが一般的です。ここで紹介する金額はすべて目安・概算であり、働き方や地域、家族構成によって大きく変わります。
前提となる最新の平均給与を確認しておきましょう。国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は487万円(前年比1.9%増)でした。男女別では男性597万円、女性342万円、雇用形態別では正社員(正職員)559万円、正社員以外210万円です。
なお、この487万円は税金や社会保険料が差し引かれる前の額面です。実際に使えるお金は手取り早見で確認できます。
学歴・男女別の生涯年収の平均額【目安】
労働政策研究・研修機構(JILPT)の「ユースフル労働統計2025」をもとにした三菱UFJ銀行の整理では、学校卒業後すぐにフルタイムの正社員として60歳まで働いた場合の生涯年収(退職金を含まない)は次のとおりです(2024年・概算)。
| 働き方 | 学歴 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|---|
| 正社員全体 | 大学卒 | 約2.63億円 | 約2.10億円 |
| 正社員全体 | 高校卒 | 約2.16億円 | 約1.58億円 |
| 同じ会社に勤め続けた人 | 大学卒 | 約2.90億円 | 約2.39億円 |
| 同じ会社に勤め続けた人 | 高校卒 | 約2.57億円 | 約1.91億円 |
JILPTの指標解説でも、60歳までの生涯賃金(退職金を含めない)は男性が高校卒2億2千万円・大学卒2億6千万円、女性が高校卒1億6千万円・大学卒2億1千万円とまとめられており、おおむね同水準の結果です。男女差や学歴差は、就業状況や勤続年数、役職構成、勤務形態など複数の要因が影響していると考えられます。
出典:三菱UFJ銀行、JILPT ユースフル労働統計2025
企業規模別の生涯年収の平均額
生涯年収に大きく影響する要素が勤務先の企業規模です。同じ学歴でも従業員数によって差が生じます(60歳まで・フルタイム正社員・退職金を含まない・2024年)。
【男性】
| 働き方 | 学歴 | 1,000人以上 | 100〜999人 | 10〜99人 |
|---|---|---|---|---|
| 正社員全体 | 大学卒 | 約3.01億円 | 約2.50億円 | 約2.14億円 |
| 正社員全体 | 高校卒 | 約2.56億円 | 約2.11億円 | 約1.87億円 |
| 同じ会社に勤め続けた人 | 大学卒 | 約3.23億円 | 約2.62億円 | 約2.44億円 |
| 同じ会社に勤め続けた人 | 高校卒 | 約2.84億円 | 約2.43億円 | 約2.14億円 |
【女性】
| 働き方 | 学歴 | 1,000人以上 | 100〜999人 | 10〜99人 |
|---|---|---|---|---|
| 正社員全体 | 大学卒 | 約2.39億円 | 約2.02億円 | 約1.76億円 |
| 正社員全体 | 高校卒 | 約1.83億円 | 約1.59億円 | 約1.40億円 |
| 同じ会社に勤め続けた人 | 大学卒 | 約2.62億円 | 約2.23億円 | 約1.99億円 |
| 同じ会社に勤め続けた人 | 高校卒 | 約2.13億円 | 約1.87億円 | 約1.59億円 |
JILPTは、男性大学卒では企業規模1,000人以上で3億円に達するのに対し、10〜99人規模では2億1千万円と、9千万円程度の開きがあると説明しています。規模が大きくなるほど生涯賃金が多くなる傾向が読み取れます。
生涯年収は「手取り額」ではない点に注意
生涯年収は税金や社会保険料が差し引かれる前の額面の総額です。一般的に、手取りは額面の約75〜80%といわれています。たとえば生涯年収2億円であれば、単純計算では手取り1.5億〜1.6億円程度というイメージになりますが、実際の手取りは年収や家族構成、各種控除によって異なるため、この割合はあくまで目安です。
また、生涯年収には退職金を含める場合と含めない場合があります。JILPTでは、60歳で定年退職金を受け取り、その後も平均的な引退年齢まで非正社員として働いた場合の生涯賃金も推計しており、男性は高校卒2億8千万円・大学卒3億4千万円、女性は高校卒2億円・大学卒2億7千万円としています。どの範囲を「生涯年収」に含めるかで金額が変わる点にも注意しましょう。
生涯年収の中央値は?公的統計がない理由と参考試算
生涯年収の中央値を直接示した代表的な公的統計は公表されていません。中央値は平均値より実態に近い指標として注目されますが、生涯年収の場合は勤続年数や退職時期が人によって大きく異なるため、単純に算出しにくいのが実情です。
参考として、厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」の一般労働者の賃金の中位数28万7,200円×12ヵ月(約344.6万円)に平均賞与75万円を加えると約420万円となり、これが40年間続いたと仮定すると累計約1億6,800万円という試算になります。ただし、これは異なる統計の数値を組み合わせた参考試算であり、生涯年収の中央値を示すものではありません。
支出面も確認しておきましょう。三菱UFJ銀行のコラムで紹介されている家計調査の数値によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、可処分所得221,544円に対して消費支出263,979円と、平均では毎月約4.2万円の不足が生じます。25年間続くと単純計算で約1,260万円の不足です。生涯年収だけでなく、生活費や老後資金もあわせて考えることが大切です。
生涯年収・手取りをふやすための考え方
生涯年収や手取りをふやすには、「額面をふやす方法」と「手元に残るお金をふやす方法」を組み合わせる発想が役立ちます。
- 昇給や役職アップ、転職、副業などで収入そのものをふやす
- 同じ会社に長く勤め続けることも、平均値の比較では生涯年収を押し上げる要因になりやすい
- iDeCoや各種控除を活用すると、所得税・住民税の負担が軽減できる場合がある
- NISAでは運用益が非課税となるため、将来に向けた資産形成に活用できる
いずれも制度の適用条件や効果は人によって異なります。判断に迷う場合は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談する方法もあります。まずは年収指数で自分の年収帯の位置を確認し、記事一覧から関連する手取りの記事も参考にしてください。
まとめ
生涯年収の平均は、学歴・男女・企業規模・働き方によって数千万円単位で差が生じます。目安として、フルタイム正社員として60歳まで働いた場合、大学卒男性は約2.6億円前後、大学卒女性は約2.1億円前後(退職金を含まない)と整理されることが多く、同じ会社に勤め続けた場合はさらに高くなる傾向があります。
一方で、生涯年収はあくまで額面の総額であり、実際に使える手取りは約75〜80%が目安です。平均値や中央値は参考情報として捉え、生活費・教育費・老後資金といった支出も含めたライフプランで考えるようにしましょう。
よくある質問
生涯年収の平均はいくらですか?
生涯年収の平均を直接示した代表的な公的統計はありません。参考として、フルタイム正社員として60歳まで働いた場合の生涯賃金(退職金を含まない)は、男性が高校卒約2.2億円・大学卒約2.6億円、女性が高校卒約1.6億円・大学卒約2.1億円と推計されています(JILPT「ユースフル労働統計2025」など)。学歴や企業規模、働き方によって大きく変わるため、あくまで目安として捉えてください。
生涯年収の中央値は公表されていますか?
生涯年収の中央値を直接示した代表的な公的統計は公表されていません。参考試算として、一般労働者の賃金の中位数と平均賞与から年収約420万円を算出し、40年間続いたと仮定すると累計約1億6,800万円という数字になりますが、これは異なる統計を組み合わせた参考値であり、中央値そのものではありません。
生涯年収は手取りでいくらになりますか?
生涯年収は額面の総額であり、税金や社会保険料が差し引かれる前の金額です。一般的に手取りは額面の約75〜80%といわれますが、実際の手取りは年収や家族構成、各種控除によって異なるため、単純にこの割合を当てはめた金額は目安として考えてください。
生涯年収には退職金を含めますか?
定義によって異なります。就職から定年退職までの給与などを合計する場合は退職金を含めないことが多く、JILPTの推計でも「定年までの生涯賃金(退職金を含めない)」と「退職金を含め、引退年齢まで働いた場合」が分けて示されています。どちらで見るかによって金額が変わる点に注意しましょう。
生涯年収をふやすにはどうすればよいですか?
昇給や昇進、転職、副業などで収入をふやす方法のほか、iDeCoや各種控除の活用で税負担を軽減し、手元に残るお金をふやす方法があります。NISAを活用した資産形成も選択肢の一つです。制度の適用条件や効果は人によって異なるため、必要に応じて専門家に相談するとよいでしょう。
参考情報
関連ガイド
- 初任給の平均はいくら?学歴別の額面・手取りと20代平均賃金を解説 平均年収
- 年収の平均は487万円|男女・年代別・正社員別に最新データを解説 平均年収
- 世帯年収の平均はいくら?令和7年の平均給与487万円から考える手取り目安 平均年収
- 大卒 初任給 平均【2027年卒】最新調査の金額と手取り目安を解説 平均年収
- 新卒の年収平均はいくら?初任給の最新データと手取りの目安を解説 平均年収
- 生涯年収の中央値はいくら?平均額・手取りの目安を公的統計から解説 平均年収
- 新卒 初任給 平均【2026年度】大卒25万円台・高卒21万円台の最新データと手取り目安 平均年収
- 給料の平均はいくら?令和7年分の民間給与実態統計調査で平均給与487万円を解説 平均年収
本記事の金額は公開統計や一般的な試算に基づく目安です。実際の手取りは社会保険・税法・扶養・居住地により異なります。重要な意思決定の前に、最新の公式情報や専門家の助言を確認してください。