警察官の階級と給料のしくみ|9階級の一覧と平均年収約779万円の目安
警察官の階級は警察法で9階級と定められ、給料は階級ではなく公安職俸給表の号俸で決まります。総務省の令和7年地方公務員給与実態調査をもとに、警察職の平均給料月額34万5,913円や年収約779万円の目安、経験年数別の給料、手当・賞与・退職手当までを整理します。
警察官の階級と給料はどう決まる? まず結論から
警察官の階級は警察法で9階級と定められていますが、給料は「階級ごとに決まった金額」ではありません。都道府県警察の警察官には、各都道府県の条例に基づく公安職俸給表(一)が適用され、金額は号俸(勤務年数や昇任の状況に応じた細かい段階)で決まります。同じ階級でも、人によって給料が違うのが実態です。
そのため「警部補は月給いくら」といった階級別の金額を、公表統計から正確に示すことはできません。この記事では、公開統計で確認できる警察職全体の給料・年収の目安、階級の一覧、手当や賞与の考え方を整理します。金額はすべて額面ベースの目安で、税金や社会保険料が引かれた手取りはこれより少なくなります(手取り早見)。
警察官の階級は9つ|巡査長は階級ではない
警察法上の階級は、上から警視総監・警視監・警視長・警視正・警視・警部・警部補・巡査部長・巡査の9階級です。よく「巡査長」を階級として紹介する情報がありますが、巡査長は警察法上の階級ではなく、巡査の中での職務上の呼称です。9階級には含まれません。
また、警視総監は階級名であると同時に、警視庁や道府県警察本部の長の職名でもあります。階級と役職は別の概念である点にも注意してください。
警察官の階級と給料の関係——「階級=金額」ではない理由
階級と給料の関係は、次のように整理できます。
| 区分 | 給料への影響 |
|---|---|
| 階級 | 昇任すると、上位の給料表区分・号俸へ移る(一般には増える方向) |
| 号俸 | 勤務年数・勤務成績による昇給で上がる |
| 諸手当 | 時間外・夜間・休日・特殊勤務・地域・扶養・通勤などが要件に応じて加算 |
| 賞与 | 期末手当・勤勉手当。在職期間と勤務成績に応じて支給 |
つまり、階級は給料を左右する要素のひとつではあるものの、金額そのものを一対一で決めるものではありません。公表統計にも「階級別の平均給料」という表は用意されていません。
統計で見る警察官の給料と年収の目安(約779万円)
総務省「令和7年地方公務員給与実態調査」には、都道府県警察の警察官(統計上の職種名は「警察職」)の平均額が掲載されています。月額は令和7年4月分、期末・勤勉手当は令和6年度の支給年額です。
| 項目(警察職・全国) | 令和7年調査の値 |
|---|---|
| 職員数 | 258,616人 |
| 平均年齢 | 39.4歳 |
| 平均給料月額(基本給) | 345,913円 |
| 諸手当月額 | 148,600円 |
| 平均給与月額(給料+諸手当) | 494,513円 |
| 期末・勤勉手当(1人当たり年額) | 1,855,952円 |
この統計は「年収」という項目を公表していないため、月額と賞与年額を足した参考値を出すと、494,513円×12か月+1,855,952円=7,790,108円(約779万円)になります。ただし平均年齢39.4歳・管理職を含む全警察官の平均であり、20代の年収でも、将来の支給を約束する金額でもありません。時間外勤務手当を含む月額である点にも注意してください。
参考として、国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」では給与所得者全体の平均給与は487万円(男性597万円・女性342万円、正社員559万円・正社員以外210万円)です。警察職の平均はこれを上回る水準ですが、調査の対象も集計方法も異なるため、単純な比較はできません(年収指数)。
経験年数別の平均給料月額|階級より経験年数で見える
階級別の表がない代わりに使えるのが、経験年数別・学歴別の平均給料月額です。手当と賞与を含まない基本給のみの平均です。
| 経験年数 | 大学卒 | 高校卒 | 学歴計 |
|---|---|---|---|
| 1年未満 | 257,614円 | 228,172円 | 245,290円 |
| 5年以上7年未満 | 284,703円 | 267,084円 | 277,145円 |
| 10年以上15年未満 | 319,094円 | 296,896円 | 311,048円 |
| 15年以上20年未満 | 358,921円 | 328,364円 | 348,584円 |
| 20年以上25年未満 | 395,348円 | 368,541円 | 386,052円 |
| 25年以上30年未満 | 419,053円 | 401,525円 | 410,437円 |
| 全体平均 | 348,722円 | 343,342円 | 345,913円 |
実際の月収は、これに地域手当や時間外勤務手当などが加わった金額になります。
手当と賞与の目安|給料以外の部分が大きい
警察職は手当の割合が高いのが特徴です。平均給与月額494,513円のうち諸手当が148,600円で、約3割を占めます。内訳の主なものは次のとおりです(全職員1人当たりの平均で、受け取っていない人も含めた額)。
| 手当 | 月額平均 |
|---|---|
| 時間外勤務手当 | 57,838円 |
| 地域手当 | 29,219円 |
| 扶養手当 | 13,522円 |
| 通勤手当 | 10,771円 |
| 夜間勤務手当 | 7,996円 |
| 休日勤務手当 | 7,958円 |
| 特殊勤務手当 | 7,809円 |
| 宿日直手当 | 4,968円 |
期末・勤勉手当は、警視庁が年間おおむね4.90か月分と案内しており、6月と12月の年2回が基本です。支給額は算定基礎や個々の条件で決まるため、「月収すべて×4.90か月」ではない点に注意してください。
初任給と退職手当の目安
警視庁が公表している初任給は、給料月額に地域手当20%を加えた金額です。Ⅰ類(大学卒業程度)で321,900円、Ⅲ類(高校卒業程度)で279,400円。実務2年目の年収例はⅠ類657万4,400円、Ⅲ類604万5,700円とされています。職歴等による加算や、扶養・住居・通勤などの手当が要件に応じて別途支給される場合があります。
退職手当には、同じ統計に実績が掲載されています。25年以上勤続した後の定年退職では1人当たり平均約2,200万円、自己都合退職では約362万円という結果です。退職手当は退職時の給料月額・勤続年数・退職理由で決まるため、途中で辞めるか定年まで勤めるかで金額は大きく変わります。条例改正の可能性もあり、この実績が将来の支給額を保証するものではありません。
まとめ|階級は「上がるほど増える方向」、金額は号俸と手当で決まる
警察官の階級は9階級で、巡査長は階級ではありません。給料は階級だけで決まるのではなく、公安職俸給表(一)の号俸と各種手当、賞与を合わせて決まります。公表統計から計算できる警察職全体の年収の目安は約779万円(額面・平均年齢39.4歳)ですが、これは平均値であり、地域・経験年数・家族構成などで個人差が大きい数字です。自分の条件に近い手取りを知りたい場合は、手取り早見や記事一覧もあわせて確認してください。
よくある質問
警察官は階級が上がると給料はどのくらい増えますか?
階級別の平均給料は公表統計にないため、具体的な金額を示すことはできません。給料は公安職俸給表(一)の号俸で決まり、昇任すると上位の区分・号俸へ移るため、一般には増える方向に動きます。実際の差は勤務年数・勤務成績・地域手当などの手当で変わるため、金額は目安としても一律には示せません。
巡査長は階級ですか?
巡査長は警察法上の階級ではありません。階級は警視総監・警視監・警視長・警視正・警視・警部・警部補・巡査部長・巡査の9階級で、巡査長は巡査の中での職務上の呼称です。
警察官の平均年収はいくらですか?
総務省「令和7年地方公務員給与実態調査」の警察職の平均給与月額494,513円と期末・勤勉手当1,855,952円を足した当サイト試算では、年収の目安は約779万円(額面)です。平均年齢39.4歳・管理職を含む平均値で、時間外勤務手当を含みます。税金や社会保険料が引かれた手取りはこれより少なくなります。
警察官の初任給はいくらですか?
警視庁が公表している例では、Ⅰ類(大学卒業程度)が月額321,900円、Ⅲ類(高校卒業程度)が279,400円です。いずれも給料月額に地域手当20%を含んだ金額で、職歴等による加算や諸手当が別途支給される場合があります。最新の表示は必ず公式の採用情報で確認してください。
警察官の退職手当はどのくらいですか?
総務省の調査では、25年以上勤続した後の定年退職は1人当たり平均約2,200万円、自己都合退職は約362万円という実績が公表されています。退職時の給料月額・勤続年数・退職理由で決まるため、途中退職か定年退職かで大きく変わります。制度は条例で改正されることがあります。
参考情報
関連ガイド
- 自衛隊の階級と給料はどう決まる?号俸・手当・年収目安をやさしく解説 年収ガイド
- 警察の給料はいくら?平均給与月額49.5万円・年収約779万円の根拠と手取り目安 年収ガイド
- 給料の平均はいくら?令和7年分の民間給与実態統計から手取りの目安まで解説 年収ガイド
- 歯科衛生士の給料・年収はいくら?平均405万円の内訳と手取りの目安 年収ガイド
- 自衛隊の給料はいくら?階級別の年収・手取りと手当の仕組みを解説 年収ガイド
- 保育士の給料はいくら?平均年収427万円・手取り月22〜23万円の目安を解説 年収ガイド
- 育休中の給料はいくら?育児休業給付金の計算方法と手取りの目安 年収ガイド
- 産休中の給料はどうなる?出産手当金の計算方法と手取りの目安 年収ガイド
本記事の金額は公開統計や一般的な試算に基づく目安です。実際の手取りは社会保険・税法・扶養・居住地により異なります。重要な意思決定の前に、最新の公式情報や専門家の助言を確認してください。