年収診断のやり方|平均487万円と比べて自分の年収と手取りを確認する
年収診断のやり方を解説します。国税庁の民間給与実態統計調査(令和7年分)では平均給与は487万円、男性597万円、女性342万円、正社員559万円。額面と手取りの違い、年収階級別の分布、手取り率75〜85%の目安、診断後の活用法までを整理します。
年収診断とは?自分の年収を平均と比べる手順
年収診断とは、自分の額面年収が世の中の平均や、同じ雇用形態・年代と比べてどのあたりにあるのかを確認することです。給与が増えているのか減っているのかを把握しておくと、転職や働き方の見直しを考える際の判断材料になります。
基準になるのが、国税庁が公表している民間給与実態統計調査(令和7年分)です。この調査では、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は487万円(前年比1.9%増、9万1千円の増加)とされています。
ただし、これはあくまで平均値です。勤務先の規模、業種、地域、年齢、雇用形態によって金額は大きく変わります。平均との差を確認したうえで、「実際に手元に残る手取りはいくらか」まで見るのが現実的です。
年収診断の基準:令和7年分の平均給与は487万円
| 区分 | 平均給与(目安) |
|---|---|
| 全体 | 487万円 |
| 男性 | 597万円 |
| 女性 | 342万円 |
| 正社員(正職員) | 559万円 |
| 正社員以外 | 210万円 |
出典:国税庁「民間給与実態統計調査(令和7年分)」。正社員(正職員)を男女別にみると男性623万円・女性444万円、正社員以外は男性270万円・女性179万円です。平均年齢は47.3歳(男性47.5歳・女性47.1歳)、平均勤続年数は12.5年(男性14.1年・女性10.4年)となっています。
平均給与の内訳は、平均給料・手当が412万円、平均賞与が75万円で、賞与割合は18.2%です。年収を「月々の給与+賞与」に分けて考えたいときの参考になります。
年収階級別・業種別で見る自分の位置
給与階級別の分布をみると、男性では年間給与400万円超500万円以下の者が487万人(構成比16.6%)で最も多く、女性では200万円超300万円以下の者が417万人(同18.7%)で最も多くなっています。自分がどの階級に入るかを確認すると、平均値だけでは見えない位置づけが分かります。
業種別の平均給与(目安)は、高い順に「電気・ガス・熱供給・水道業」854万円、「金融業,保険業」726万円。低いのは「宿泊業,飲食サービス業」276万円です。年齢階層別では、男性は55〜59歳の階層(734万円)が最も高く、女性は年齢による差が比較的小さいとされています。勤続年数別では、男性は勤続30〜34年(838万円)、女性も勤続30〜34年(501万円)が最も高くなっています。
いずれも平均の数字であり、業種・職種・地域・役職によって実際の金額は変わります。「平均より高い・低い」だけで結論を出さず、自分の条件に近い区分で比べることが大切です。
年収診断で見るべきは額面ではなく手取り
求人票や源泉徴収票に書かれている年収は「額面年収」で、税金や社会保険料が引かれる前の金額です。実際に口座へ振り込まれるのは、健康保険料・介護保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、所得税・住民税を差し引いた「平均年収をわかりやすく解説">年収とは?平均給与487万円から見る年収別の手取り目安">手取り年収」になります。
会社員の手取りは、一般的に額面のおよそ75〜85%が目安とされます。年収が高くなるほど所得税の税率(累進課税)が上がり、社会保険料の負担も増えるため、手取り率は少しずつ下がっていきます。
たとえば年収500万円・扶養なし・協会けんぽ東京都の料率(令和7年度)で試算した例では、社会保険料 約73.3万円、所得税(復興特別所得税込) 約12.0万円、住民税 約24.2万円、手取り年収 約390.5万円(手取り率 約78.1%)という結果になります(お金の計算機)。月あたりにすると手取りはおよそ32.5万円です。なお、この金額は概算であり、自治体の料率や標準報酬月額の等級、各種控除によって変わります。
自分の年収を手取りに換算したい場合は、手取り早見もあわせて確認してください。
手取りを計算する流れ(令和7年分の制度)
- 額面年収から給与所得控除を差し引いて「給与所得」を出す(令和7年分から最低保障額は65万円)
- 健康保険・厚生年金・雇用保険などの社会保険料を計算する(健康保険は約4.955%、厚生年金は9.15%、雇用保険は0.55%が従業員負担の目安)
- 給与所得から基礎控除・社会保険料控除・扶養控除などを引き、課税所得を求める
- 課税所得に5〜45%の累進税率をかけて所得税を計算し、復興特別所得税(所得税額の2.1%)を上乗せする
- 住民税は所得割(標準10%)と均等割(5,000円、森林環境税1,000円を含む)の合計で計算する
基礎控除は所得税と住民税で金額が異なる点(所得税は所得に応じて最大95万円、住民税は43万円)にも注意が必要です。社会保険料は本来、標準報酬月額の等級で決まるため、簡易な計算では数百円〜数千円の差が出ます。
年収診断の注意点と活用方法
- 平均給与は一部の高額所得者に引っ張られるため、中央値とは異なる
- 同じ年収でも、お住まいの都道府県の保険料率、扶養の有無、各種控除で手取りは変わる
- 年代・雇用形態・業種・勤続年数が違えば、比較の意味合いも変わる
- 額面年収と手取り年収を混同すると、生活設計を誤るおそれがある
年収診断を「比べて終わり」にせず、iDeCo(掛金が全額所得控除の対象)、ふるさと納税、生命保険料控除、医療費控除などの制度を確認して、手取りを増やす・負担を軽くする方向に活かしていきましょう。同年代や近い条件との比較には年収指数が、関連する解説は記事一覧が参考になります。
まとめ:年収診断は平均との比較+手取りの確認で
令和7年分の民間給与実態統計調査では、平均給与は487万円(男性597万円・女性342万円、正社員559万円・正社員以外210万円)でした。年収診断では、まずこの平均と自分の位置を比べ、そのうえで社会保険料と税金を引いた手取り(額面のおよそ75〜85%が目安)を確認するのがおすすめです。金額はあくまで概算であり、個人差・地域差・控除差があることを踏まえて参考にしてください。
よくある質問
年収診断はどうやって行えばよいですか?
まず額面年収を確認し、国税庁の民間給与実態統計調査(令和7年分は平均487万円)と比較します。次に雇用形態・年代・業種別の平均を確認し、最後に社会保険料と税金を差し引いた手取りを試算する流れが分かりやすいです。金額は平均・概算であり、個人差があります。
年収500万円の手取りはいくらですか?
扶養なし・協会けんぽ東京都の料率で試算した一例では、社会保険料 約73.3万円、所得税 約12.0万円、住民税 約24.2万円を差し引き、手取り年収は約390.5万円(手取り率 約78.1%)です。これは概算であり、お住まいの自治体や標準報酬月額、各種控除によって変動します。
平均給与487万円は手取り額ですか?
いいえ、額面の平均給与です。手取りは社会保険料と税金を差し引いた後の金額で、一般的には額面のおよそ75〜85%が目安とされています。年収が高いほど手取り率は下がる傾向があります。
自分の年収が平均より低いのですが問題ありますか?
平均は一部の高額所得者を含む値で、年代・雇用形態・地域・業種による差も大きいため、単純に低い=問題とはいえません。自分に近い条件の区分と比べたうえで、手取り額や生活設計とあわせて確認することをおすすめします。
年収診断に無料の計算ツールは使えますか?
手取り額を確認する無料の計算ツールは多数ありますが、料率や控除の扱いはツールごとに異なります。結果はあくまで概算として受け取り、正確な金額は勤務先の担当窓口や自治体、税理士・社会保険労務士などの専門家に確認してください。
参考情報
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本記事の金額は公開統計や一般的な試算に基づく目安です。実際の手取りは社会保険・税法・扶養・居住地により異なります。重要な意思決定の前に、最新の公式情報や専門家の助言を確認してください。