インフラエンジニアの年収はいくら?設計側889万円・運用側610万円の差と手取り目安
インフラエンジニアの年収は、公的統計で設計側889.0万円・運用側609.8万円と大きく異なります。求人票の提示年収、年代・企業規模別の水準、国税庁の民間給与実態統計(平均487万円)との比較、手取りの目安まで一次資料の数字で整理します。
インフラエンジニアの年収は、ひとつの数字では語れない
「インフラ手取りの目安">エンジニア 年収」で調べると、443万円・477万円・609.8万円・889.0万円…と、大きく違う数字が並びます。これはどれかが誤りというわけではなく、その数字が何を測ったものかが違うためです。公的統計は在職者に実際に支払われた給与、求人サイトの数字は求人票の提示額、転職サービス系の数字は登録者の申告年収を集計したものです。
本記事では、国税庁・厚生労働省の公的統計と求人データを並べ、自分の経験がどの年収帯にあたるかを確かめられるように整理します。金額はいずれも目安であり、個人差・地域差・企業差があります。
公的統計でみるインフラエンジニアの年収|設計側889.0万円・運用側609.8万円
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」には「インフラエンジニア」という職業区分がありません。担う工程によって、次の2つの区分に分かれて集計されます(企業規模10人以上・男女計。毎月きまって支給する給与の12か月分と年間賞与等の合計から年収換算した目安)。
| 統計上の区分 | 対応する主な仕事 | 平均年齢 | 年収換算の目安 |
|---|---|---|---|
| システムコンサルタント・設計者 | 基盤システムの設計・構築、ITコンサルタント、プロジェクトマネージャ | 38.3歳 | 889.0万円 |
| その他の情報処理・通信技術者 | ITの運用・管理、ヘルプデスク、電気通信技術者 | 42.2歳 | 609.8万円 |
両者の差は279.2万円です。同じ「インフラ」でも、設計・構築を担うか、運用・監視が中心かで統計上の水準は大きく変わります。
ただし注意点があります。「システムコンサルタント・設計者」にはITコンサルタントやプロジェクトマネージャも含まれるため、889.0万円はインフラ設計者だけを数えた平均ではありません。統計にインフラエンジニア単独の区分は存在しないので、自分の担当工程に近いほうを物差しにするのが現実的です。
出典:国税庁「nta.go.jp」、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」をもとにしたOffers Magazineの整理。
年齢別・企業規模別でみる年収の目安
同じ統計の年齢階級別の値から年収を換算すると、次のようになります(男女計・目安)。
| 年齢 | 設計・構築側の区分 | 運用・管理側の区分 |
|---|---|---|
| 25〜29歳 | 641.6万円 | 452.7万円 |
| 30〜34歳 | 866.1万円 | 548.9万円 |
| 35〜39歳 | 968.1万円 | 604.1万円 |
| 40〜44歳 | 1,189.0万円 | 680.5万円 |
| 45〜49歳 | 1,226.3万円 | 702.1万円 |
| 50〜54歳 | 1,103.7万円 | 724.5万円 |
| 55〜59歳 | 1,163.8万円 | 777.8万円 |
2つの区分の差は25〜29歳の188.9万円から、40〜44歳の508.5万円へ広がります。年齢を重ねるほど、担当工程の違いが年収差として表れやすいと考えられます。
企業規模別でも差が出ます。設計・構築側の区分は従業員1,000人以上の企業で1,010.4万円、10〜99人では585.1万円。運用・管理側の区分は1,000人以上で639.4万円、10〜99人で523.2万円です。設計側であっても、10〜99人規模の585.1万円は運用側の全体平均609.8万円を下回ります。担う工程と同じくらい、勤め先の規模も年収を左右します。
求人票の提示年収|上限の中央値は900万円
転職市場の数字は「これから採用する側が示した額」です。Offersに掲載されたインフラ・SRE・クラウド・ネットワーク系の正社員求人(年収記載のある272件)では、提示年収の下限の中央値が500万円、上限の中央値が900万円でした。上限800万円以上の求人が75.7%、1,000万円以上が39.3%という結果です。
一方、転職サイトの登録者データでは、サーバーエンジニア469万円・ネットワークエンジニア455万円(doda 平均年収ランキング2025)、求人票ベースでは477万円(求人ボックス 給料ナビ2026年6月)、443万円(レバテックキャリア2025年1月)といった数字も見られます。これらは未経験〜中堅向けの求人を含むため、在職者全体の実支給より低く出るのが構造です。
提示年収の上限は「経験と役割が合う人に出せる上限」であり、応募すれば必ず示される額ではありません。
国税庁の統計でみる全体平均との比較
国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は487万円(男性597万円・女性342万円)、正社員(正職員)559万円、正社員(正職員)以外210万円です。平均年齢は47.3歳、平均勤続年数は12.5年。給与の内訳は平均給料・手当412万円、平均賞与75万円で、賞与割合は18.2%となっています。
インフラエンジニアの運用・管理側の区分609.8万円は、この全体平均487万円や正社員平均559万円を上回る水準です。ただし、これは職種・年齢構成・企業規模の違いを含んだ比較なので、「インフラエンジニアだから高い」と単純に言えるものではありません。
年収から手取りを計算するときの注意
年収が分かっても、実際に使えるお金は社会保険料と税金を差し引いた手取りです。手取りは年収のおよそ75〜85%が目安とされますが、健康保険や厚生年金の保険料は都道府県や加入する制度で異なり、扶養の有無や住民税の額でも変わります。
年収600万円台であれば手取りは450万〜500万円前後、年収900万円台であれば650万〜700万円前後になることが多い、というのが一般的な目安です。あくまで概算なので、自分の条件に近いケースを手取り早見で確認し、年収帯ごとの比較は年収指数で見てください。
まとめ|自分の担当工程と企業規模で年収帯を確かめる
インフラエンジニアの年収は、統計上「設計・構築側で889.0万円」「運用・管理側で609.8万円」という2つの水準に分かれます(いずれも目安)。求人票ベースの443万〜477万円は提示額、統計は在職者の実支給額と、測っているものが違う点も押さえておきましょう。
自分の年収を上げたい場合は、設計・構築など上流工程の経験を積む、企業規模の大きい環境を選ぶ、SREやリード職を目指すといった方向性が一般的に考えられます。ただし昇給や評価の基準は企業ごとに異なるため、同年代・同規模の水準と比べながら判断するのが安全です。関連する職種の年収は記事一覧から確認できます。
よくある質問
インフラエンジニアの平均年収はいくらですか?
公的統計に「インフラエンジニア」という職業区分がないため、一概には示せません。厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の対応区分から年収換算すると、運用・管理が中心なら約609.8万円、基盤設計など上流工程なら約889.0万円が目安です(企業規模10人以上・男女計)。なお、上位区分にはITコンサルタントなども含まれる点に注意してください。
求人サイトで443万円と表示されるのはなぜですか?
求人サイトの金額は、掲載されている求人票の提示給与から算出したものが中心です。未経験〜中堅向けの求人が多く含まれるため、在職者全体に実際に支払われた給与より低く出る傾向があります。統計の実支給額とは測っている対象が違う、と理解しておくとよいでしょう。
インフラエンジニアは40代でどのくらいの年収になりますか?
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の年齢階級別の値から換算すると、40〜44歳で設計・構築側の区分が1,189.0万円、運用・管理側の区分が680.5万円という目安になります。ただし標本変動の影響を受けるため、単年の数値を絶対視せず参考値として扱ってください。
年収600万円の手取りはいくらですか?
手取りは年収のおよそ75〜85%が目安とされ、年収600万円台なら450万〜500万円前後になることが多いとされます。社会保険料は都道府県や加入制度、扶養の有無で変わるため、あくまで概算として[手取り早見](/tedori)で近い条件を確認してください。
インフラエンジニアが年収を上げるにはどうすればよいですか?
一般的には、設計・構築など上流工程の経験を積むこと、企業規模の大きい環境を選ぶこと、SREやリード職へ役割を広げることが年収水準を上げる方向性として挙げられます。ただし評価制度や昇給基準は企業ごとに異なるため、同年代・同規模の水準と比較しながら判断することをおすすめします。
参考情報
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本記事の金額は公開統計や一般的な試算に基づく目安です。実際の手取りは社会保険・税法・扶養・居住地により異なります。重要な意思決定の前に、最新の公式情報や専門家の助言を確認してください。