確定申告と年収の関係|2,000万円・20万円のボーダーと手取りの目安
確定申告が必要になる年収のボーダーを国税庁の資料から整理します。給与収入2,000万円超や副業所得20万円超などの条件、平均給与487万円の実態、医療費控除などで税金が戻るケースまで、手取りへの影響とあわせてわかりやすく解説します。自分の年収の位置づけも確認してみてください。
確定申告と年収の関係——まず押さえる3つのボーダー
「年収がいくら以上なら確定申告が必要か」と悩む人は少なくありません。結論からいうと、1か所の会社から給与を受けている会社員の多くは、年末調整でその年の課税関係が完結するため、原則として確定申告は不要です。ただし、年収(給与収入)の水準や給与以外の所得の有無によって、申告義務が生じるケースがあります。
国税庁の資料(nta.go.jp)では、給与所得者が確定申告をしなければならない人として、主に次のケースを挙げています。
- 給与の収入金額が2,000万円を超える人
- 1か所から給与を受ける人のうち、給与所得・退職所得以外の所得(地代、家賃、原稿料など)の合計が20万円を超える人
- 2か所以上から給与を受け、年末調整を受けた主たる給与以外の収入と、給与所得・退職所得以外の所得との合計が20万円を超える人
- 給与の支払時に所得税を源泉徴収されない人、同族会社の役員などで会社から利子や賃貸料などを受けている人、災害による徴収猶予・還付を受けている人など
ここでいう「年収」は、源泉徴収票の「支払金額」、つまり社会保険料や税金が差し引かれる前の金額です。手取りベースの感覚とはズレるため、自分の手取り水準は手取り早見で確認しておくとよいでしょう。
年収2,000万円を超えると年末調整の対象外になる
給与収入が2,000万円を超えると、勤務先による年末調整が行われません。そのため、自分で確定申告をして税額を精算することになります。医療費控除や寄附金控除などの各種所得控除も、年末調整ではなく確定申告で受ける形になります。
国税庁の資料によると、令和7年分の所得税の確定申告の相談および申告書の受付は、令和8年2月16日から同年3月16日までとされています。e-Taxによる送信、郵便・信書便での送付、税務署の時間外収受箱への投函でも提出できます。なお、還付申告であれば確定申告期間の前でも提出可能です。
副業をしている人の「20万円ルール」と年収の考え方
会社員が副業をしている場合、判断のカギになるのが「20万円」という金額です。注意したいのは、この20万円は収入ではなく所得(収入から必要経費を差し引いた額)で判定するという点です。
また、2か所以上から給与を受けている人でも、給与の合計額から社会保険料控除や扶養控除などを差し引いた金額が150万円以下で、かつ給与所得・退職所得以外の所得が20万円以下であれば、確定申告は不要とされています。所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告が必要になるケースが一般的ですので、迷ったらお住まいの自治体や税務署に確認してください。
確定申告が必要な年収はどのくらい?平均給与487万円の実態
国税庁の民間給与実態統計調査(令和7年分、nta.go.jp)によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は487万円でした。内訳は男性597万円、女性342万円、正社員(正職員)559万円、正社員以外210万円となっています。
つまり、平均的な年収帯の会社員は、先に挙げた2,000万円というボーダーには届かず、多くの場合は年末調整で完結します。確定申告が必要になるのは、副業所得が20万円を超える人や、還付を受けるために申告する人などが中心です。なお、この487万円は1年を通じて勤務した人の平均であり、年の途中で就職・退職した人を含む全体の平均とは範囲が異なる点にも注意してください。
申告すると税金が戻るケース——年収より控除がカギ
確定申告というと「納める」イメージが強いですが、実際には還付を受けられるケースも多くあります。源泉徴収の段階では雑損控除や医療費控除などの所得控除が受けられないため、これらを確定申告で受けると、すでに源泉徴収された税額の全部または一部が戻ることがあります。
国税庁の資料で挙げられている主なケースは次のとおりです。
- 年の途中で退職し、年末調整を受けなかった人
- 災害や盗難、横領により住宅・家財に損害を受け、雑損控除を受ける人
- 支払った医療費が、10万円か所得金額の合計額の5%相当額のいずれか低い金額を超える人(医療費控除)
- 国や特定公益増進法人などに寄附金を支払った人(寄附金控除。ふるさと納税もこの枠組みです)
年収が高いほど控除の節税効果は大きくなりますが、年収の水準にかかわらず還付が受けられる制度です。
年収から手取りを考えるときの注意点
確定申告で納付や還付が発生すると、その年の手取り額は変わります。ただし、所得税・住民税・社会保険料の負担は、住んでいる地域、家族構成、加入している保険、各種控除の有無によって大きく異なります。記事中の金額はすべて目安として捉え、自分自身の条件で試算するようにしてください。
年収の位置づけを確認したい場合は年収指数、ほかの年収・手取りのガイドは記事一覧もあわせてご覧ください。
まとめ
- 給与を1か所から受ける会社員は、原則として年末調整で課税が完結し、確定申告は不要
- 給与収入2,000万円超、給与所得・退職所得以外の所得20万円超などが確定申告の主なボーダー
- 副業の20万円は「収入」ではなく「所得」で判定する
- 医療費控除や寄附金控除などを受ける場合、確定申告で税金が戻ることがある
- 手取り額は控除や地域差で変わるため、必ず自分の条件で確認する
よくある質問
年収500万円でも確定申告は必要ですか?
1か所の会社から給与を受けているだけであれば、年末調整で課税関係が完結するため、原則として確定申告は不要です。ただし、副業の所得が20万円を超える場合や、医療費控除・寄附金控除などの適用を受けて還付を受けたい場合は確定申告を行うことになります。
副業の所得が20万円以下なら何もしなくていいですか?
所得税の確定申告は不要とされていますが、住民税の申告が必要になるケースが一般的です。また20万円は収入ではなく、収入から必要経費を差し引いた所得で判定します。判断に迷う場合はお住まいの自治体や税務署に確認してください。
年収2,000万円を超えると何が変わりますか?
勤務先での年末調整が行われなくなるため、自分で確定申告をして税額を精算する必要があります。医療費控除などの各種所得控除も、確定申告を通じて受けることになります。
確定申告をすると税金が戻るのはどんなときですか?
医療費控除、寄附金控除、雑損控除などを受けられる場合や、年の途中で退職して年末調整を受けられなかった場合などに、源泉徴収された税額の一部または全部が還付されることがあります。
令和7年分の確定申告期間はいつですか?
国税庁の資料では、令和7年分の所得税の確定申告の相談および申告書の受付は、令和8年2月16日から同年3月16日までとされています。還付申告はこの期間の前でも提出できます。
参考情報
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本記事の金額は公開統計や一般的な試算に基づく目安です。実際の手取りは社会保険・税法・扶養・居住地により異なります。重要な意思決定の前に、最新の公式情報や専門家の助言を確認してください。