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給料明細 作成のやり方|勤怠・支給・控除の3区分と計算手順を解説

給料明細の作成は所得税法231条で義務づけられた業務です。勤怠・支給・控除の3区分の書き方、健康保険料や厚生年金、雇用保険料、源泉所得税、住民税の計算手順、賃金台帳との違い、令和7年分の平均給与と手取りの目安まで、初めての方にもわかるように解説します。

キーワード: 給料明細 作成

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給料明細(給与明細)の作成は、従業員に「今月の給与はこういう内訳です」と伝えるための書類づくりです。所得税法231条では、給与を支払う事業者に支払明細書の交付が義務づけられています(出典:e-Gov法令検索 所得税法)。正社員だけでなく、パートやアルバイトなど給与を受け取るすべての人が対象です。

交付しなかった場合は、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象になります(所得税法242条7号。出典:e-Gov法令検索 所得税法第242条)。また、渡すタイミングは「給与の支払いの際」と定められており(所得税法施行規則100条1項)、給料日が25日なら25日までに渡す必要があります。

なお、賃金は通貨で・直接・全額・毎月1回以上・一定期日に支払うという労働基準法24条の原則があります。法令に根拠のある控除と労使協定に基づく控除を除き、会社の判断で差し引くことはできません(出典:経理ツールズ)。

給料明細の構成は「勤怠・支給・控除」の3区分

給料明細は大きく「勤怠」「支給」「控除」の3区分で構成され、最後に差引支給額(手取り)を記載すれば完成です。

区分役割主な項目
勤怠その月にどれだけ働いたか出勤日数、有給取得日数、残業時間、遅刻・早退 など
支給会社から支払われる金額基本給、残業手当、通勤手当、役職手当 など
控除給与から差し引かれる金額健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、所得税、住民税 など

表のとおり、「勤怠をもとに支給額を計算し、控除を差し引いて手取りを出す」という流れです。計算式にすると「支給 − 控除 = 手取り」になります。

勤怠欄は残業手当や欠勤控除の計算根拠になる部分で、出勤日数・欠勤日数・有給取得日数・残業時間・深夜労働時間(22時〜翌5時)・休日労働時間・遅刻早退などを記録します。支給欄には基本給や各種手当を並べ、基本給+手当の合計が「総支給額(額面)」です。無給の欠勤や遅刻・早退があった場合は、その分をマイナス項目として支給欄に記載するのが一般的です。

給料明細 作成の手順

実際に給料明細を作る流れは、次のとおりです。

  1. 勤怠を集計する ── タイムカードや出勤簿から、出勤日数・残業時間・有給取得日数などを確認する
  2. 支給額を計算する ── 基本給+各種手当。残業手当は「残業時間×時間単価×割増率」で算出する
  3. 控除額を計算する ── 健康保険料・厚生年金・介護保険は標準報酬月額から、雇用保険料は賃金総額×保険料率から、所得税は源泉徴収税額表から、住民税は自治体の通知額から求める
  4. 差引支給額を出す ── 総支給額から控除合計を引く。これが従業員の手取り
  5. 給料明細を作成・交付する ── 給料日までに従業員へ渡す

この順番が大切なのは、源泉所得税の税額表にあてはめる金額が「社会保険料等控除後」の金額だからです。控除を先に計算しないと所得税額がずれてしまいます(出典:経理ツールズ)。

控除額の計算で押さえるポイント

項目負担ポイント
健康保険料会社と折半都道府県ごとの保険料率で計算(協会けんぽの場合)
介護保険料会社と折半40歳以上65歳未満の従業員のみ対象
厚生年金保険料会社と折半保険料率は全国一律18.3%
雇用保険料労使で負担割合が異なる一般の事業の労働者負担は5/1,000(2026年度)
  • 健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料は「標準報酬月額」を保険料額表にあてはめて計算します。毎月の総支給額に直接料率を掛けるわけではない点に注意してください
  • 雇用保険料は標準報酬月額ではなく、毎月の賃金総額×保険料率で計算します。健康保険・厚生年金とは仕組みが違います
  • 通勤手当は一定額まで非課税です(公共交通機関は月15万円まで)。所得税を求めるときは、総支給額から非課税の通勤手当を引き、さらに社会保険料を差し引いた「社会保険料等控除後の給与等の金額」を税額表にあてはめます
  • 住民税は前年の所得に基づいて自治体から届く特別徴収税額決定通知書の月別額をそのまま記入します。会社が税率で再計算するものではありません
  • 健康保険・厚生年金は原則として翌月徴収(前月分を当月の給与から控除)です。入社月や退職月は控除タイミングに注意しましょう

従業員の手取りは、こうした控除をすべて引いた後の金額です。おおよその水準をつかみたいときは手取り早見を、年収ベースの比較は年収指数をあわせて確認してください。

給料明細と賃金台帳の違い

給与明細賃金台帳
目的従業員への通知会社が保存する記録
根拠法所得税法231条労働基準法108条
渡す相手従業員本人渡さない(会社で保管)
保存期間法律上の定めなし5年間(当面は3年間の経過措置あり)

(出典:テンプレックス)

平均給与と手取りの目安

令和7年分の民間給与実態統計調査によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は487万円(前年比1.9%増)で、5年連続の増加となり過去最高となりました。内訳は平均給料・手当412万円、平均賞与75万円です(出典:国税庁)。

  • 男性:597万円/女性:342万円
  • 正社員(正職員):559万円/正社員(正職員)以外:210万円

給料明細に載る控除をすべて引いた手取りは、おおよそ額面の75〜85%に収まるといわれます。額面30万円なら手取り約24万円が目安です。賞与からも健康保険・厚生年金・雇用保険・所得税は同じように引かれ(住民税は月給からの天引きのみ)、手取りは8割前後が目安になります(出典:お金の教科書)。実際の金額は標準報酬月額、都道府県、年齢、扶養親族等の数、住民税決定通知によって変わるため、あくまで概算として考えてください。

まとめ

給料明細は所得税法で交付が義務づけられた書類です。「勤怠→支給→控除→差引支給額」の流れで項目を埋めれば、はじめてでも作成できます。控除は健康保険・厚生年金が標準報酬月額ベース、雇用保険が賃金総額ベースと計算の土台が異なるため、混同しないことが大切です。金額は個人差・地域差・控除差が大きいので、必ず自社の規程と公式の料額表で確認してください。関連記事は記事一覧から確認できます。

よくある質問

給料明細は必ず作成して交付しなければいけませんか?

はい。所得税法231条により、給与を支払う事業者には支払明細書の交付が義務づけられています。交付しなかった場合は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象となります(所得税法242条7号)。

パートやアルバイトにも給料明細は必要ですか?

必要です。所得税法上の交付義務は正社員だけでなく、パート・アルバイトなど給与を受け取るすべての人が対象です。渡すタイミングは「給与の支払いの際」とされており(所得税法施行規則100条1項)、給料日までに渡す必要があります。

源泉所得税は総支給額にそのまま税率を掛ければよいのですか?

いいえ。総支給額から非課税の通勤手当などを引き、さらに社会保険料を差し引いた「社会保険料等控除後の給与等の金額」を国税庁の源泉徴収税額表にあてはめて求めます。扶養控除等申告書を提出している主たる勤務先は原則として甲欄が適用されます。

健康保険料や厚生年金保険料は何をもとに計算しますか?

原則として毎月の総支給額ではなく、決定済みの「標準報酬月額」を保険料額表にあてはめて計算します。厚生年金の保険料率は全国一律18.3%、健康保険料は都道府県ごとの料率で計算します(協会けんぽの場合)。介護保険料は40歳以上65歳未満が対象です。

給与明細に載る手取りは額面の何割くらいですか?

社会保険料と税金をすべて引いた手取りは、おおよそ額面の75〜85%に収まるといわれています。賞与も同じく控除が引かれ、手取りは8割前後が目安です。ただし標準報酬月額、都道府県、年齢、扶養親族等の数、住民税の通知額によって変わるため、あくまで目安として考えてください。

参考情報

関連ガイド

本記事の金額は公開統計や一般的な試算に基づく目安です。実際の手取りは社会保険・税法・扶養・居住地により異なります。重要な意思決定の前に、最新の公式情報や専門家の助言を確認してください。