税法上の扶養と年収の関係:控除の基準と最新統計を解説
税法上の扶養と年収の関係を解説。扶養控除の対象となる年収基準や控除額、令和8年改正ポイントを、国税庁の最新統計(平均給与487万円)と共にわかりやすく紹介。
税法上の扶養と年収の関係とは
「税法上の扶養」とは、所得税法において、納税者が配偶者や親族を扶養している場合に受けられる所得控除の仕組みです。扶養控除や配偶者控除を適用するためには、扶養される側の「年収」が一定以下であることが条件となります。この年収基準は毎年見直される可能性があり、特に令和8年分からは改正が予定されています。本記事では、最新の民間給与実態統計(平均給与487万円)も参照しながら、税法上の扶養と年収の関係を詳しく解説します。
国税庁の「令和7年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は487万円(前年比1.9%増)で、男性597万円、女性342万円、正社員(正職員)559万円、正社員以外210万円となっています(出典:国税庁統計)。扶養に入るかどうかの判断には、自分の年収だけでなく、扶養する側の控除額も考慮する必要があります。
扶養控除の対象となる年収の基準
扶養控除を受けるためには、扶養親族が次の所得要件を満たす必要があります。
- 合計所得金額:令和7年分までは48万円以下(給与のみの場合は収入103万円以下)
- 令和8年分以降:合計所得金額62万円以下(給与のみの場合は収入123万円以下)に引き上げ(令和8年12月1日施行)
扶養親族となる人の年齢は原則16歳以上で、特定扶養親族(19~23歳)や老人扶養親族(70歳以上)など、区分によって控除額が異なります。また、扶養される側の年収が基準を超えると、控除対象外となります。
扶養控除の金額一覧
扶養控除の金額は、扶養親族の区分に応じて以下の表の通りです(国税庁「No.1180 扶養控除」より)。
| 区分 | 控除額 |
|---|---|
| 一般の控除対象扶養親族(16歳以上) | 38万円 |
| 特定扶養親族(19~23歳) | 63万円 |
| 老人扶養親族(70歳以上、同居老親等以外) | 48万円 |
| 同居老親等(70歳以上、同居) | 58万円 |
なお、扶養親族の合計所得金額が58万円超(令和8年分以降は62万円超)の場合、扶養控除の対象外となります。ただし、特定親族特別控除の制度が新設され、一定の条件下で控除を受けられる場合があります。
令和8年分の改正ポイント
令和7年度税制改正により、令和8年分の所得税から以下の変更が行われます。
- 扶養親族の所得要件:合計所得金額が48万円超62万円以下の扶養親族について、新たに「特定親族特別控除」が創設(扶養控除は適用されないが、控除対象となる可能性あり)
- 扶養控除等申告書の記載変更:令和8年分以後は「源泉控除対象親族」として、控除対象扶養親族に加えて特定親族(所得100万円以下)も記載する必要があります
- 給与所得控除額の見直し:収入162万5千円以下の場合、給与所得控除額が55万円に統一(改正前は最低65万円だった部分が変更)
これらの改正により、扶養に入るかどうかの年収ラインが実質的に拡大されるため、これまで扶養内で働いていた方の収入上限が上がる可能性があります。詳しくは国税庁の「令和8年分の扶養控除額及び障害者等の控除額の合計額の計算について」をご確認ください。
平均給与から見る扶養の実態
国税庁の統計(令和7年分)を見ると、年末調整を行った給与所得者のうち、配偶者控除または扶養控除の適用を受けた者は1,122万人(23.7%)で、扶養人員1人当たりの平均扶養人員は1.39人です。これは、扶養控除の利用が年々減少傾向にあることを示しています(前年比4.5%減)。女性の平均給与342万円は、扶養に入る基準(103万円または123万円)を大きく上回っており、共働き世帯の増加が背景にあると考えられます。
正社員以外の平均給与210万円も扶養基準を超えるケースが多いですが、パートやアルバイトの収入が103万円(改正後123万円)以下の場合は、扶養控除の対象となる可能性があります。自身の年収が基準内かどうかは、年収指数で試算することができます。
扶養に入る際の注意点
- 収入の計算方法:扶養親族の合計所得金額は、給与収入だけでなく、事業収入や年金収入などの合計です。給与のみの場合は、給与所得控除後の金額で判断します。
- 年末調整の手続き:扶養控除を受けるには、勤務先に「扶養控除等(異動)申告書」を提出する必要があります。令和8年分からは記載事項が変わるため注意が必要です。
- 社会保険の扶養:税法上の扶養と健康保険・年金の扶養は基準が異なります。社会保険の扶養は年収130万円未満(60歳以上は180万円未満)が一般的な目安です。
- 扶養から外れた場合の影響:扶養控除が受けられなくなると所得税が増えますが、同時に自分の所得控除(基礎控除など)が適用されるため、実際の負担増は限定的な場合もあります。手取り早見でシミュレーションしてみましょう。
詳細な手続きや改正内容については、国税庁の公式ページや記事一覧をご参照ください。
よくある質問(FAQ)
Q: 扶養に入るための年収は103万円ですか?それとも123万円ですか?
A: 令和7年分までは給与収入103万円(合計所得48万円)以下が基準です。令和8年分からは給与収入123万円(合計所得62万円)以下に引き上げられます(令和8年12月1日施行)。ただし、特定親族特別控除などの制度もあるため、自身の状況に応じて確認してください。
Q: 学生アルバイトで年収103万円を超えた場合、親の扶養から外れますか?
A: 103万円を超えると扶養控除の対象外となりますが、特定扶養親族(19~23歳)の場合は年収が一定以下であれば親が特定親族特別控除を受けられる可能性があります。また、社会保険の扶養は別基準です。
Q: 扶養控除の額はいくらですか?
A: 扶養親族の区分により、一般38万円、特定扶養63万円、老人扶養48万円(同居老親等は58万円)です。障害者控除などと併用できる場合もあります。
Q: 配偶者控除と扶養控除は同時に受けられますか?
A: 配偶者控除は配偶者が対象、扶養控除は配偶者以外の親族が対象です。両方の条件を満たせば両方の控除を受けることが可能です。ただし、配偶者控除の対象となる配偶者は扶養控除の対象とはなりません。
Q: 年末調整で扶養控除を申告するにはどうすればいいですか?
A: 勤務先から配布される「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に扶養親族の情報を記入し、提出します。令和8年分からは書式が変更されるため、最新の様式を使用してください。
よくある質問
扶養に入るための年収は103万円ですか?それとも123万円ですか?
令和7年分までは給与収入103万円(合計所得48万円)以下が基準です。令和8年分からは給与収入123万円(合計所得62万円)以下に引き上げられます(令和8年12月1日施行)。ただし、特定親族特別控除などの制度もあるため、自身の状況に応じて確認してください。
学生アルバイトで年収103万円を超えた場合、親の扶養から外れますか?
103万円を超えると扶養控除の対象外となりますが、特定扶養親族(19~23歳)の場合は年収が一定以下であれば親が特定親族特別控除を受けられる可能性があります。また、社会保険の扶養は別基準です。
扶養控除の額はいくらですか?
扶養親族の区分により、一般38万円、特定扶養63万円、老人扶養48万円(同居老親等は58万円)です。障害者控除などと併用できる場合もあります。
配偶者控除と扶養控除は同時に受けられますか?
配偶者控除は配偶者が対象、扶養控除は配偶者以外の親族が対象です。両方の条件を満たせば両方の控除を受けることが可能です。ただし、配偶者控除の対象となる配偶者は扶養控除の対象とはなりません。
年末調整で扶養控除を申告するにはどうすればいいですか?
勤務先から配布される「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に扶養親族の情報を記入し、提出します。令和8年分からは書式が変更されるため、最新の様式を使用してください。
参考情報
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本記事の金額は公開統計や一般的な試算に基づく目安です。実際の手取りは社会保険・税法・扶養・居住地により異なります。重要な意思決定の前に、最新の公式情報や専門家の助言を確認してください。